俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



歩きながら美月を探してると。


……いた。


艶のある、綺麗なロングストレートの黒髪に。

すらりと伸びた細い手足。

肌は透き通るように白くて。

凛とした、大きな二重の猫目。

鼻筋が通った高い鼻に、色気のあるプルッとした唇。


……美月のヤツ、昔から可愛かったけど。


高校生になった美月は、可愛いって表現よりも、“美少女”って言葉のほうがしっくりと当てはまる。


マジで、すげー綺麗になったよな。


同い年とは思えないほど大人びてて、近寄りがたいオーラが漂っている。


思わず、美月に見惚れていると。


そこで、ようやく気づいた。


一緒にいるあのチャラそうな男は誰だ?


よくよく見れば、超イケメンだし。


けど、俺、アイツのことどっかで見たことがあるような……。


どこで見たんだっけ?


それより、まさか、美月の彼氏とかじゃないよな?


もし、そうなら……


美月に彼氏がいたら……


うわ、受け入れらんねぇ。


美月が知らない男と話してるのを見ただけで、こんなに心がザワザワと乱されてんのに。

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