俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「あれ、美月もう起きてたんだ?」
「私も今起きたとこ」
「さては、興奮してあんまり眠れなかったんでしょ?」
「はぁ?」
愛美ってば、また朝からバカなこと言ってるよ。
「感謝しなさいよねぇ?大地くんとうまくいったのはあたしのおかげでもあるんだから」
やっぱり愛美は愛美だ。
でも、今回のことはほんとに感謝してるよ。
「愛美、ありがとう」
「えっ!?ちょっ、やめてよ!美月が素直だと調子狂うからっ!」
妙に慌てている愛美。
「ふわ~ぁ。美月ちゃん、愛美ちゃん、おはよぉ」
朝から愛美がうるさいから、菜乃花もその声で起きたみたい。
「菜乃花、おはよ。ほら、みんな早く準備しないと。もうすぐ朝食の時間だよ」
「何よ~、このリア充め~ぇ!」
愛美が私の顔を目がけて枕をなげてくる。
「愛美、何すんのよ~!」
修学旅行最終日の朝、私たちの部屋にはにぎやかな笑い声が響いていた。