俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


「はぁ~!やっと家に着いた~ぁ!」



家の玄関に二人分の荷物をドカッと置くと、その隣に勢いよく座り込む大地。


最終日の今日は、班のみんなで海遊館を見て回ったあと、大阪みやげを買ったりしてたら、もう新幹線の時間になっちゃって、新幹線の中ではみんな疲れて爆睡しちゃうし、気づけば東京駅に着いてた感じでほんとあっという間だったな。



「旅行もいいけど、やっぱ我が家が一番だよな」


「うん。って、ここ私の家だけどね?」


「あ、そうだった」



でも、嬉しいな。


大地にとって、自分の家のようにくつろげる空間になってるってことでしょ?



「大地、寒いから早く部屋に入ろ?」


「おう、そうだな」



私は部屋の暖房を入れ、お湯をわかす。



「はい、紅茶」



ソファーでくつろぐ大地の前のローテーブルに紅茶をそっと置いた。


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