俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
“俺にだけは”なんて言われたら……
素直になるしかないじゃない……。
だって、大地は、私の“特別”だから。
「……そうだよ、不安だよ」
だから、好きな分だけ不安になっちゃうの……。
大地が他の子と電話したり、ラインしたり。
私の知らないところで、私の知らない誰かと会っていたら……
そんな想像をするだけで、嫌でたまらなくなる。
自分が、こんなに嫉妬深いなんて、大地を好きになるまで知らなかったよ……。
うつむき、下唇をかんでいると、大地は私の後頭部に手を回して抱き寄せた。
「ごめんな?美月のこと不安にさせて」
優しい声色でそう言われて、ドクンと心臓が跳び跳ねる。
「美月といるときに電話に出ないのは、美月との時間を他人に邪魔されるのが嫌だから。でも、それがかえって美月を不安にさせるくらいなら、これからは出るようにするから」
「……っ、」
そういう理由だったんだ……。
私との時間を大切にしてくれてるって、すごく嬉しい。
「他にもまだ美月が不安に思ってることは?あるなら、素直に言って」
そう言われて浮かぶのは、やっぱりあのこと。
「……志歩って、誰?」
どうしても気になって頭から離れないの……。