俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「昨日、大地がスマホをポケットにしまおうとしたとき、表示されてたその名前が見えちゃったの……」
不安で、大地の背中に手をまわしてぎゅっとしがみついた。
「そっか。美月、不安にさせてほんとごめんな?」
大地も私をぎゅうっと強く抱き締めかえしてくれる。
「けど、志歩は北海道にいる友達。もっというと、小学校から高校までずっと一緒の幼なじみなんだ」
……っ?
「幼なじみ……?」
それを聞いた瞬間、なぜだかわからないけどすごくショックだった。
大地には、私以外に幼なじみがいたなんて……。
しかも、私よりもその志歩ちゃんという幼なじみのほうが、大地といる時間が長いんだと思ったら、やっぱり妬けちゃうよ。
だって、その子は私の知らない大地を私より知ってるんでしょ?