俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「すみませんけど、美月は返してもらいますね」
美月のこと、他の誰にも渡したくない。
俺は、さっさとこの男から美月を引き離したくて、美月の小さくてほっそりとした手を握ると、さっきとっておいた席まで連れて行った。
「美月、冷める前に食べようぜ」
「……うん」
「ほら、座れって」
椅子をひき、ボーッと突っ立ったままの美月を座らせる。
「あ~!腹減った!いっただっきま~すっ!」
カツカレーを一口頬張ると、少し冷めていた。
けど、それでも味は最高。
「ウマっ!美月も一口食う?」
すくったスプーンを美月に向けると。
「いい。いらない」
「だよな~。そう言うと思った」
俺は苦笑いしながら手を引っ込めた。
美月は、いちごミルクにストローをさすと、それを口に運ぶ。
一見、クールで大人びて見えるのに。
「美月は今も変わらず甘党なんだな」
「……何よ、悪い?」
「悪くない。可愛いヤツだなって思ってるだけ」
「……っ!はぁ!?」
顔を真っ赤にさせる美月が、マジで可愛いくてたまんない。