俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「でもな、美月。それは俺も同じ。俺だって、この10年間、美月がどこで誰とどんな風に過ごしてるのか、ずっと不安だった」
「……」
「けど、これだけは言える。俺は、離れてた10年の間、美月のことを一度だって忘れたことはないから」
……っ!
「私だって……、私だってそうだよ。……再会したあの日、“大地のことなんか忘れてた”なんて言っちゃったけど、そんなのウソ。ほんとは、大地のことを忘れた日なんか一度もなかった。
ずっと、あの日の約束を信じて待ってた。またいつか、大地に会えるって。会いたいって……」
「……美月、」
「この10年間、大地との思い出だけが私の支えだった……」
ずっと、素直になりたくて。でも、なれなくて。
言いたくて、言えなかった、本当の気持ち。
「だから、大地と再会できたあの日、本当はすっごく嬉しかったの」
言葉にしたら、涙があふれて止まらなかった。
「美月、」
「同居の話を断らなかったのも、せっかくこうして再会できた大地とまた離れ離れになるのが嫌だったから」
きっと、ずっと、私は大地に恋をしていたんだ。
私の初恋は、大地と離れたあの日からもずっと継続中だった。