俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「あらっ!そうなの!?それは、嬉しいわ~♪あの子、昔から“大きくなったら美月ちゃんと結婚する”って言ってたから」
「……っ」
“大きくなったら、結婚しようね”
たしかにあのころ、大地は私にそう言ってくれていたけど……。
「そういえば、大地にはもう会えたかしら?」
「え?あ、はい。今日、うちのクラスに転校してきて……」
「あら~!同じクラスになれたの?美月、よかったじゃな~い♪」
なんだかすごく嬉しそうなお母さん。
っていうか、お母さん。
「大地がうちの高校に転校してくることを知ってたの?」
「もちろんよ!」
「だったら、教えてくれたらよかったのに」
「美月を驚かせたかったの。どう?大地くんと再会して、びっくりしたでしょ?」
「……そりゃ、びっくりするよ」
あたりまえじゃん。
「じゃあ、大成功ね~♪」
なんて、大人たちは、嬉しそうに喜んでいる。
「でもね、美月。もっと驚くことがあるのよ」
「……え?」
「そうそう。美月が聞いたら、腰を抜かすぞ~!」
お父さんがいたずらっこみたいな顔でニヤけているけど。
何?
なんか嫌な予感がしてきたんだけど。