俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
すると、それまでの笑顔がウソみたいに、急に神妙な面持ちになったお父さん。
「実はな、お父さん。アメリカに行くことになったんだ」
……っ!
「……ウソでしょ?それ、本当なの?」
「さすがに、お父さんだってそんなウソはつかないよ」
じゃあ、お父さんがアメリカに転勤ってことは。
「……私、転校するってこと?」
そのとき、瞬時に大地の顔が浮かんできた。
やっとまた会えたばかりなのに。
また、大地と離れなきゃいけないの?
そんなの、……嫌だ。
「美月、違うのよ。お父さんは転勤じゃなくて、3か月間だけ出張でアメリカに行くのよ。でも、お父さんはなにもできない人だから、その間だけお母さんも一緒にアメリカについて行こうと思うの」
「……え?」
じゃあ、私は、これからこの家にひとりで生活するってこと?
お母さんが働いているのもあって、家事ならすべてひとりでこなせるけど。
こう見えて私、すごく怖がりだったりするんだよね……。
だから、ひとりのときに、泥棒とか、お化けとか、雷とか、地震がきたらって思うと……。