俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


「でも、安心して。美月がひとりで不安にならないように、私たちがこの家を留守にする間だけ、大地くんに一緒に住んでもらうことにしたから」



この家にひとりきり……。


ゴキブリが出たらどうすればいいの。


お風呂で頭を洗ってるときに、鏡に何かうつっていたらどうしよう……。


夜中に目が覚めてトイレに行きたくなったら躊躇しちゃうな……。


あぁ、どうしよう……。



「おーい、美月。ちゃんと聞こえてるか~?」



心配ごとが次から次へと浮かんできて、頭が混乱している私にお父さんが大きめな声で私に呼びかける。



「え?ごめん、何?」



いろんなことが起こりすぎて、もうなにがなんだかわかんないよ。



「だから、お父さんたちがいない間だけ、この家に大地に来てもらって、一緒に住んでもらうから大丈夫だからな?」



え?


大地がこの家にくる?


一緒に、



「一緒に住むっ!?」



耳を疑うような発言に、私は思わず声を張り上げた。






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