俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



朝からほんとくだらない。


早く昼休みになればいいのに。


学校にいる間は、どうしてこんなにも時間が経つのが遅いのだろう。


時計を睨みながらそんなことを思っていた、そのときだった。



「実は、今日からこのクラスに新しい仲間が増えます」



にこやかな表情を張り付けた木村先生がそう言うと、それを聞いたクラスメートたちは一気に騒ぎ出す。



「転校生ってマジかよ!?どんなヤツ?男?女?」


「あたし、イケメン希望ー!」


「何言ってんだよ、可愛い女の子がいいに決まってんじゃん!」



はぁ……。


くだらない。


どうして、“転校生”と聞くと、みんなイケメンや可愛い子を期待するわけ?


ドラマや漫画の見すぎ。


期待するのは自由だけど、ちょっとは転校生の身にもなったら?



「じゃあ、入ってきて~」



プレッシャーを感じながら廊下で待機しているであろう転校生に向かって声を張る木村先生。


すると、次の瞬間。



──キャーーッ!!



それまでザワついていた教室は、黄色い悲鳴に包み込まれた。


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