俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「待ってよ。私はまだ賛成したわけじゃないんだけど?」
「じゃあ、美月もお父さんたちと一緒にアメリカに行くんだな?」
「……っ。それはっ、」
思わず、私は大地のことを見上げた。
どうしても今の学校じゃなきゃ嫌な理由も。
家族がいないこの家にひとり残る理由も私にはない。
でも、大地と離れるのは嫌だから。
それが、たとえ、たった3ヶ月だったとしても……。
だから。
「……アメリカには、行かない」
「ってことは、美月も大地とここで3ヶ月間一緒に暮らすことに賛成ってことでいいんだよな?」
賛成ってわけじゃないけど。
ここに残るためには、大地のそばにいるためには、そうするほかないんだからしかたないじゃないっ……。
「……ほんとに、3か月だけだからっ!」
こうして、私と大地の3か月限定の同居生活が幕を開けることとなった──。