俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
あ、この写真は小1の学芸会のときのだ。
俺たちの学年は、そうそう、シンデレラをやったんだよな。
俺は、あのとき王子様役で。
美月は、シンデレラをいじめる、継母役だったっけ。
あのときの美月、妙にハマり役だったな。
思い出したらなんか笑えてきた。
けど、このころの美月は、俺にとってはヒーローだったんだ。
あの頃の俺は、女みたいな顔をしてたから、それが原因で男子からも女子からも“女の子みたい”だっていっつもからかわれて。泣き虫で。
そのたびに、美月が俺を背中に隠して、“大地は女の子じゃないもん!”って俺をかばってくれたんだよな。
“大地も、そうやってすぐに泣かないの!男の子でしょっ!?”って。
美月は強かったなぁ。
俺より背も高かったし。
俺が大嫌いな牛乳を克服できたのは、間違いなく美月のおかげ。
美月より背が高くなりたかったから。
俺が武道を習うこのにしたのも、強くなって、今度は俺が美月を守りたいって思ったから。