俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
絶対、ヒミツ!【美月side】
「うわ~!うまそうな匂い~♪」
そろそろ大地を呼びに行こうと思っていたら、それよりも先に匂いに誘われるようにしてやって来た大地。
ダイニングテーブルに運んだばかりのミートソーススパゲッティに目を輝かせている。
「うお!めっちゃうまそうじゃん!俺、パスタなら断トツでミートソースが好きなんだよなぁ~!」
うん。知ってる。
だから、ミートソーススパゲッティにしたんだよ。
「そうなの?おかわりもあるよ」
でも、そんなこと言わない。
言わないんじゃなくて、言えない。
だから、こうして知らなかったフリをする私はやっぱり素直じゃない。
「こっちのサラダも彩りいいし、このオニオンスープもうまそうじゃん。美月って、マジで料理できたんだな!」
「……」
私、料理ができるのか疑われてた?
「これくらい、誰でもできるし」
「そんなことねーよ。超旨いし!こんな旨い手料理食べれる俺って、超幸せモノだわ」
そんな嬉しそうな顔して、そんな嬉しいこと言わないでよ……。
こっちは、テレてることを隠すの大変なんだからね……。
私は赤くなった顔を隠すように、両手でティーカップを持ち、口元に運んだ。