俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「大地だって、同じでしょ?」
東京に戻ってきたばかりでうちで私と一緒に住むなんて、きっと反対したに決まってる。
それでも、賛成する他なかったのは、大地にもまだ拒否権なんてないからだ。
「俺は違うよ。自分の意志で決めた」
「……え?」
「ガキの頃は美月が俺を守ってくれたように、今度は俺が美月を守るから」
「……っ!」
「だから、なんかあったら俺に言えよ?な?」
何かあると、いつもすぐ泣いていたくせに。
いつの間にそんなに男らしくなっちゃったの。
「それからさ、今は俺と住むなんて嫌かもしんないけど、この3ヶ月がお互いにとって楽しいものになるように、俺、全力で努力するから」
……大地。
「つーか、このスープもウマッ!」
大地は何事もなかったかのようにスープを飲みながら、屈託のない笑顔で微笑んだ。
大地が優しいのは、今も健在なんだね。
その笑顔を見たら、さっきまでの不安なんてうそみたいに消えていって。
ワクワクする胸の高鳴りを感じていた──。