俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「やっと起きた?おはよ、美月」
朝日に反射しているせいか、大地がキラキラと輝く天使のように見えるのは、私が寝ぼけてるから?
っていうか、
「……なっ、なんで大地がここにいるのよっ!!」
私は慌てて布団の中にもぐり、体を丸める。
「なんでって、美月が全然起きないからだろ?」
「だ、だからって!勝手に人の部屋に入るのは禁止って言ったでしょっ!?」
同居初日にふたりで決めた決まりごとなのに、もう3日目にしてやぶるなんてありえないっ!
「しかたねぇじゃん。部屋のドアをいくらノックしても、ドアの向こうから大声で呼んでも、美月のスマホに電話しても応答ナシだったんだから」
「……」
そうだったの?全然気づかなかった。
「俺が起こしにきてなきゃ、完全に遅刻だよ?つーか、今の時点でもかなりヤバイんじゃね?」
「ヤバイって、今何時なの?」
「8時」
「はっ、8時!?」
ウソでしょっ!?
ガバッと起き上がる私。
「もぉ~、なんでもっと早く起こしてくれなかったのよぉ~っ!」
「だから俺は起こしてたんだって」
「早く準備しないとっ!」
私は大地の言葉を最後まで聞く前に動き出した。