俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
そっか、渡瀬くんと田口くんて、仲良しなんだっけ。
いつも一緒にいるもんね。
「土屋さん、よろしく」
爽やかな笑顔で微笑む田口くん。
クラスのムードメーカー的存在の渡瀬くんと、クラス代表をしていて成績優秀な田口くんは、ふたりともイケメンだし目立つ存在だから。
「キャー!うちのクラスのイケメントリオが土屋さんのこと誘ってるよ!」
“イケメントリオ”って。
渡瀬くん、田口くん、そこに大地が加わり、トリオってわけね……。
「うそでしょー!まさかの独り占めっ?ずるーい!」
……うん。こうなるよね。
女子たちに非難される声が聞こえて、一気にテンションが下がる私。
しかも、“ずるーい!”って言ってたの、愛美の声だったような気がする……。
大地が誘ってくれたのはすごく嬉しいけど、この3人と一緒の班になったりしたらめんどくさいことになりそうだ。
だからといって、他に同じ班になれる子もいないし、困ったな……。
どうしようかと考えていた、そのとき。
「……あのっ、土屋さんっ」
誰かに遠慮がちに声をかけられた。