俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~





「私でよければ、」



そう野原さんに返事をしかけていたとき。



「野原さんも入ってくれんの?ヨロシクねっ!俺らと一緒に楽しい旅行にしようぜ~い!」


「えっ?ちょっ……」



勝手に会話に割って入ってきた渡瀬くん。


“俺らと一緒に”って、まだ私は渡瀬くんたちと同じ班になるとは一言も言ってないのに!



「それでもあとひとり足りないな~ぁ。どうする?」


「ちょっと待ってよ、渡瀬くん」



勝手に話を進めないで、と止めようとしたそのとき。



「タケくーん!愛美も仲間に入れて~♪」



背後から聞こえたぶりっこ声に、一瞬にして鳥肌がたった。
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