俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「ここは、保健室だよ。美月、修学旅行の班決めの途中でいきなり倒れたりするから、俺、心臓止まるかと思うくらいビックリしたんだかんな?」
「……っ」
「そのまま放課後の今に至るまでずっと眠ったままだったんだぞ」
「えっ!……放課後!?ウソでしょ?」
信じられない、と言わんばかりに驚いてる美月。
慌てたように美月は外に目をやる。
グラウンドはオレンジ色に染まっていた。
「眠ってるだけとわかっててもさ、もしこのまま目を覚まさなかったらどうしようって、本気で心配したんだからな……」
だから、美月が目を覚ましてくれてほんとホッとした。
「あら、やっと起きたようね」
そこに現れたのは、保健室の先生。
「眠っているあなたを、この子が保健室までお姫様抱っこして運んできてくれたのよ?ねっ?」
先生は、俺のことを肘でつつきながら微笑んでいる。
いやいや、そのへんのことはわざわざ言わなくても。
なんか、すげー照れ臭いじゃん……。