俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
そばにいて……。【美月side】
「美月、玉ねぎは何個いる?」
学校帰り、近所のスーパーに立ち寄って夕飯の材料を買い物中の私と大地。
大地のリクエストにより、今日の夕飯はカレー。
「カレーは明日も食べれるように多めに作るから、玉ねぎ2個に人参も2本お願い」
「了解」
大地はカートを押しながら、どれがいいかな?なんて物色している。
それにしても、いくら寝不足続きだったとはいえ、突然寝ちゃうなんて、私としたことが……。
何より、大地がお姫様抱っこで保健室まで運んでくれたなんて……。
穴があったら入りたいくらい恥ずかしくてたまらない。
ある意味、意識がなくてよかったのかも。
「それにしても、ミートソースやらカレーやら、子供が好むメニューが好きなところは昔から変わってないんだね」
あ、忘れずに福神漬けも買わなくちゃ。
あとはサラダを作ればいっか。
レタスはどこかな?
探しながらうろついていると。
横から大地がきて、トンと体をあててきた。
「なんだよ、美月。てっきり俺の好物なんか忘れてると思ってたのに、ちゃんと覚えてくれてたんじゃん」
嬉しそうな顔をした大地と目が合う。
「……っ!」
……しまった。
私ってば、うっかり、余計なことを……。