俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「それに、誤解してるようなので言っておきますけど、俺と美月は、家が近所の、ただの幼なじみですから」
──“ただの幼なじみ”。
大地が言うように、確かに私たちはそうなんだけど……。
先輩に怪しまれないように、強調してくれてるんだろうけど……。
なんでかな……。
その言葉が、やけに胸に突き刺さってズキッと痛んだ。
だけど、それを聞いた三浦先輩は。
「な~んだ、ただの幼なじみだったのか!だったら早くそう言ってよね。てっきり二人は付き合ってて、同棲までしてる仲なのかと思ったじゃ~ん!」
一気に機嫌がよくなって。
「でも、じゃあ、その買い物は何?いかにも、これからカレー作りますって感じだけど」
……ギクッ。
先輩のその洞察力にはびっくりだった。