サッカーばか


そんな事を思いだして

「ゆきだってか弱そうな名前なのに」

と一人で笑っていると、

「何、笑ってんだよ。」

とけんは私の頬を引っ張た。

「いひゃい、いひゃい!」

そう言って2人で笑う。
私はこの瞬間が、一番好きだった。


もともと、けんと私の両親は、東京育ちだったみたいで。

沖縄に引っ越したみたい。
理由は分からないけど、大変だったって。

方言も分からない2人だったので、大半の時間を私達はすごした。



快晴の日に、けんは海が見渡せる、崖に私をつれてきた

「ねぇ、ゆき」

「ん?」

「ゆきにとって、俺って幼なじみ?」

「…え?」

そう言ったけんは私の瞳をとらえて、話さなかった―――

「………………俺さ、」

「……」


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