魔法と紡いだアオハル
私はディアについて行き、急いで校舎裏に

そこには、3人の女子生徒に囲まれた陽菜乃がいた

「何で…陽菜乃!!!」

私が飛び出そうとすると
ディアが必死で私を止めにかかった

「何で?ディア!離してよ!」
「いけませんわ!あの御三方は星組の2年!」
「2年生?先輩が何で初日から陽菜乃を!」
「陽菜乃は昨日、桜組だと分かりましたでしょう?
桜組が貴重な存在なのは美桜さんも知って…」
「そんなの!陽菜乃が悪くない!」
「1年3組に!もう1人の桜組のノア様が!」
「ノア?いたけど、その人がどうかしたの?」

興奮を出来るだけ抑えてヒソヒソと会話をする
すると、陽菜乃達の方から声が聞こえる

「自分がクラス唯一、ノア様と同じ桜組だからって
調子に乗られたら困るからねぇ?」
「才能が目覚める前に1度締めないと♡」
「本来あんたと、ノア様が会話する事自体
いけない事って事を体に教えてあげる〜!」

え?!
桜組なだけで、ノアと陽菜乃は話した事も無いはず
何でそれがこんな目にあう理由になるの?

「知らないのですか?あの方は高貴な身分。
そしてあの容姿にあの能力。とてもモテるのです。
きっとあの人達はノア様のファン!!」
「でも…やっぱりおかしいよ」


「きゃっ」

陽菜乃?!

見ると女子生徒の1人が手をピースにすると
その手の人差し指と中指がハサミのように変化した

「な、何をするの?」
怯えた声で陽菜乃が言う

「聴くところによると、
あんた、治癒魔法でしょ?」
「私がちょーっと君の口を裂くからぁ〜
あんたはその直ぐ側から治癒魔法かけるの!」
「治癒魔法なんだから死なないでしょう?
口裂けたら、切り口だけを治癒してよね?
そうすればぁ〜」

「「「口裂け女の出来上がり〜」」」

ゾッ


私は凄い寒気がした。

魔法って確かに特別な力かもしれない
でも。こんな使い方は間違っている。絶対!!

恐怖で体が震えた陽菜乃は
そのままその場に座り込んでしまった。

「それじゃあ、いっきまーす」
チョキチョキと、音を立てながら
陽菜乃に近い付いて行った

「美桜!私、先生を呼んできますわ!」
ディアが私にそういったが。きっと間に合わない

ダッ

「美桜!!」

気がつくと
私は何も考えずに、陽菜乃の前に出ていた。


ガタガタと足を震わせながら

< 29 / 39 >

この作品をシェア

pagetop