魔法と紡いだアオハル

ノア＝ヒュードル・フロウ

「おい！窓ガラスが割れてるぞ！」
「何があった！！」


窓ガラスが割れる大きな音と、
2人の女子生徒の泣き声を聞きつけて
色んな生徒や先生達が駆けつけてきた


「何だこれは…」

窓ガラスが沢山割れ、2人の生徒は座り込んで泣き
3人の生徒が奥の方で伸びている。

そして…1人の生徒が立っている


「君、何したの？」
そう私に話しかけて来たのはあの、“ノア”

「げっ。」
「？？。君がこれをやったの？」

そう言えば、これって私の魔法が発動したのから？
って事はこれ、私がやったことに？！

「えっ、えっと…」

「信じられないな。劣等生はやはり、
心も魔法を使う人物として相応しくない。
こんな暴力沙汰を起こすなんて。
いくら魔法が使えないからと言って
やりすぎだとは思わないのかい？」

「え？」

あれ？これが噂のノア様？？
ノアは、とても見下すような言い方で
私に言い放った。

「先生方。この人が主犯のようですよ」

「何だと？！」
「この子は、確か噂の？」
「やはり追放するべきだったか？」

ノアの話に先生方が私を睨みつける

待って待って！！
何で私が犯人扱いされてるの？！

男の先生に手首を強く捕まれ、
連れて行かれようとした

「お待ちなさい！その手を離すのです！」
「そうよぉ。
美桜ちゃんは私を助けてくれたんだから」

「ディア！陽菜乃〜！」

2人が男の先生の手を
私の手首から剥がしてくれた。

目を真っ赤にしながら

「ディア様。なぜこの物を庇うのです？」
「本当の事を言ったまでよ。
ノア様はいつも人の話をお聞きにならないわ」

言い合うディアとノア。なぜか止めない先生達
どんどんヒートアップしていく…

「待って待って〜
ディアさんと陽菜乃さんが言っている事は
ただしいから〜！！」

そう言って奥から走って来たのは翠先生だった
「翠先生。聞こえたのですか？」
「はい。バッチリ聞いてましたが。驚きましたよ」

聞こえた？？

1人の先生が言った言葉に疑問に思った
「聞こえたって？」
「もぅ。美桜ちゃん先生の自己紹介
ちゃーんと聴いてなかったでしょ〜？
先生は星組。グッドイヤー。半径10mの範囲の声は
みーんな聞き取れるんだよぉ？？」
「え！じゃあ何でもっと早く来てくれないの！」
「オンオフできないから、
出席の確認のみんなの返事を聞き取るのに集中しちゃってて、本当の口論だって
窓ガラスが割れた時に気づいたんだよ〜」

「翠先生。説明してください」
ノアは私を睨みながら言った


やっぱりこの人、みんなが言う王子なノアじゃない
まるで別人みたいに冷たい目で睨んでくる…