幾年の愛を
「だって藜もみたでしょ?鳥達だって」
「でも、色は違った」
たしかに采羽の髪はずっと、私の髪より
薄い緋色で目の色は青だった。
あの目で見られたら嘘なんてつけない。
でも、さっきの采羽は黒だった。
名前を言ったとき確かにこの子は采羽だって気づいた。
でも、あの子以外にもいるってことかな?
そんなわけないね?…
だって…
「采羽…耳飾りつけてたよね藜…」
「あぁ…そうだったな」
ずっとあの子の耳に付いているピアス。
あれは確かムーンストーンだったかな…
あれはこの世でたった一つしかない物。
それを持っているのは采羽だけ…
うぅん…つけられるのだって采羽しかいないんだよ?
ー side澪 end ー