幾年の愛を
「ど、どうして…」
「あんたには俺達だってあることを示しに
来たんですよっ」
「そうですよ雪月花様」
後ろを向くとそこには沢山の神達がいた。
そうだ…私にはこんなにも支えてくれる
人達がまだまだいるんだ…
なにを1人で思い上がっているのやら…
気づけば傷はなおっており、私は無傷そのもの
ようだった…
「さぁて…まだヤるのか…枯捺」
「クッ…俺は諦めないぞっ」
そう言うと消えていった悪魔達…
そのとたん今までのが嘘だったかのように
周りは静かになった…
「采羽…」
「風燐、すぐにあっちに向かうから」
私は話しかけられる前に帰ることにした。
ここにいたら…帰りたくなくなる
かもしれないから…
そんなとき、私の後ろから最悪な声が
聞こえてきた。
「采羽さんっ」
後ろにはグアルディアーノの親族…
私の両親とは仲がよかったみたいだけど
本当の所…ただ私達兄弟を
見捨てた奴らだけだ…
自分が傷つかないために…
私が今にも殴りかかりそうなのを止めたのは
私の大好きな人の声だった。
「誰の許可をへて、『俺の妹』の前に顔を出したんだ」
「っ、」
「兄さんっ」
そう…そこにいたのは小さい頃に
死んでいたと思っていた私のたった1人の
家族である兄さんだった。
「遅くなってごめんよ采羽」