幾年の愛を
sideクロウ
ゆっくりと落ちてきて、俺の腕の中に
収まる采羽は、随分と軽くなっていた…
あの時も、抱き上げたとき…本当に
誰かを持ち上げているのかと思ったぬらいだ…
「采羽様をこちらへ…」
そう言って来たのは、千月達であった。
「もう姫はここでの生活はできないの」
「兄上様も待っておいでなのだ」
俺達がいることにすら腹を立てているであろう
3人は、俺から采羽を奪おうとした。
「やめてっ」
それを制したのは、グアルディアーノだった。
自ら神にも近い…この3人に刃を向けるなんて…
バカな奴らだな…
「采羽も行くなら私も行くっ」
「それは人であることをやめるということたぞ?
そんな覚悟、お前らなんかに……」
「あるよ!!」