幾年の愛を
「何事だ」
後ろからきたのは冬吏さんだった。
マズい…暴れてしまった…
迷惑をかけてしまった。
「す、すみませんっ」
私は謝ることしかできなかった
またあの時みたいに閉じこめられたくなくて…
いい子でいれば何の問題もないでしょ?
「大丈夫…外に出よう。ここは空気が悪いだろ?星空…もう少し頑張ってくれ」
「はい」
部屋の外にでてから私は冬吏さんの
部屋に案内された。
「すまない、まさかあいてらだとは
思っていなかった」
「いえ…大丈夫です」
「…采羽…少しクロウを借りていいかい?」
「え?…はい」
私はクロだけを残して部屋を出た。
どうしようかな…ここにいても
なにもすることがない…
早く…クロ…
なんでだろう…クロがいるときといないときで
こんなに違うなんて…
今までどうしていたのかわからないや…
「あれ?」
外を見ていると女の子が1人で
座っていた。
ずっと見ていると女の子が座っていた塀から落ちてしまった。
私は急いで外に出て女の子のもとに
駆け寄った。