幾年の愛を
「月の力が宿りし長刀
その光で悪しき物を消せ」
私がそう言うと、黒い物体は溶けるように
なくなっていった。
でも、それが長く続くこともなく
早くも敵が増え始めていく。
ここからは私だけが戦える。
何とかしないと…
「月の光よ 囲め」
他の人間バレたら厄介になる。
これでいいかは謎だけど
今は、こいつらだ。
「お前…いったい」
その問いは私が聞きたいくらいだ。
どうしてこんな力がつかえる。
何故、みたこともない刀を使える。
そんなの…わからない…
どれだけ倒したから知らず、
黒い物体を斬っていくものの一向に
経る気配がない。
私の体力ももう限界だ。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
力が入らない…こんなときに…
刀を杖に立とうとしたが腕にも
力が入らず、座っていた。
すると、また黒い物体が襲いかかってくる
かのままだと紅葉君や女の子まで…
あぁ…なんて無力なんだろう。
人の一人2人も守れないで…なにが
強くなりたいだ…
目を閉じると、あの人の声が聞こえた。
「黒き炎よ 燃えさかれ」
目の前には一瞬で消えていく黒い物体と
それを倒したクロの姿
急いできたのか息は上がっており、
汗もかいていた。
「大丈夫か、采羽?」
心配そうに私のことを抱きしめながら
そこにいるのを確認するように
私の頭を撫でていた。