幾年の愛を


また1人になってしまったと
毎晩毎晩泣いていた。
でも、枯捺さんはこうして毎日、
私に会いにきてくれる。


「おはようございす。」

「おはよう。今日も元気だね?
よかったよかった。…あ、はい朝ご飯」


渡されたのはサンドイッチとミルクティー
私が好きなものだった。


「ありがとうございます!」


ここにはたくさんの子供がいる。
別に余裕がないわけではない。
でも、私はここのご飯を食べたことはない
多分、私なんかに作るのが嫌なんだ。


「…ここを出るかい?」

「いいえ…後1人なんです。小学校の
入学。…それを見たら出ようかと…」

「…君は本当に優しい子だね」


そう言って頭を撫でてくる枯捺さんの
手が今日は冷たく感じた。


話がしたいということもあり、
私は枯捺さんと一緒に途中まで来た。
今日はバイトもあるらしく、
また明日約束をして別れた。


校門を抜けると所々から聞こえてくる
ひそひそと話す声。
何か言いたいなら直接言えばいいのに…
毎日毎日、めんどくさくなる。


         ガラガラガラ


教室に入っても何も言われない。
逆に辺りは静かになる。
私が席に座ると、どこからかゴミが飛んできた。
投げられた方を見てみると、
水嶋さんの姿がある。

あぁ…この人なら大丈夫かなって思ってたんだけど、やっぱりだめか…
所詮私は…どこに行っても必要となんて
されないんだから…


 
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