幾年の愛を
「で?どこを怪我したのかなクロ君?」
な、なぜだかすごく喜んでいるように
見えるのは私だけだろうか…
「クロと呼ぶのは采羽だけでいい…」
「別にいいじゃないかぁ~、で?どこどこ?」
「平気だ…大したことはない」
「じゃあ采羽ちゃんに治してもらったら?」
浹さんが言ったことにこちらを見たクロ…
私が笑いかえしながら
「別にいいですよ、クロなら」
と、言うと顔を強ばらせ羽間さんに向き直った。
「変なことしたら殺す」
「いいとも」
部屋の外に出されてしまった私達は自分の部屋に行くことに、
やっぱり、嫌なのかな…私に怪我を治させるの…
「…クロウはね、采羽が傷つくのが嫌なんだよ…」
そう言った澪さんはどこか遠くを見つめていた。
その見ている所に何があるのか…私はどうしてか
怖くなった。
階段の前につくと私は何かに引き寄せられるように
廊下を進んでいった。
気がつくと1つの部屋の前についていて
どうしようか悩んでいると
浹さんと澪さんがいた。