幾年の愛を
見られたくなかった…
クロだけには…見られたくなかったのに…
「どうして謝る」
「え?」
どうして…わかるわけない…だって…
気づけばいつも…私は誰かに謝っていた。
自分の中にある力を無意識とはいえ、使ってしまった罪悪感
誰からも必要とされていない私は…
いらない子だからと…
「…俺には謝るな」
クロは私の頭に手をおきながら優しく微笑んでいた。
「はい」
クロはいつも私の欲しい言葉を言ってくれる。
私がどうしたいか何を思っているのか
気づいてくれる。
それがうれしくてたまらない…
ー次の日ー
目を開けるとそこにはクロがいて
目を細めながら微笑んでいてくれる。
そんなことをされてこなかった私にとっては
少しくすぐったくて
でも、こんなに嬉しいことはない…
着替えてから下に行くともう皆は起きていた。