幾年の愛を
「あんたがどれだけの事をしてきたかなんて知らない…
だけど、紅葉君を傷つけることに関しては許しません。」
「こ、こんなやつ守るなんて馬鹿なんじゃないの?」
笑いながらそう言った女の目は狂っていた。
あの男と同じにおいがする。
この女の人も薬をやってるだ。
「くだらない…」
バサッ
「それは…私がある奴からの謝罪金…あげるよ」
私が女に投げた通帳を見ると目を輝かせていた。
それがあの男と重なって吐き気がする…
「やっぱり幸せ者は違うのわぁ~」
「幸せ?」
「采羽?」
あんなことをされてきて私が幸せに過ごせていた?
目の前で命が去っていくのを見て…幸せですって?
笑える