幾年の愛を
「もちろんだ」
私は何とか起きあがり、動きやすい服に着替えた。
「あ…」
今気がついたが私の手には包帯がまかれていた。
ずいぶん強くにぎっていたんだな…
「采羽…」
クロは私の手をとりたれ始めていた私の血を舐めていた。
「クロ?」
私の血をなめた瞬間、クロの目が紅にまった。
「俺は…吸血鬼だ」
どうして今、クロがそのことを話してくれたのかは
わからない。
でも…嬉しいとさえ思う。
「初めて…貴方の事をしれた気がします」
「…怖がらないんだな」
「怖がるところ何てありませんから」
クロは目を細めながらほほえんでいた。
「クロ…行きましょうか」
私達は玄関ではなく裏門の方から行こうと思い、
向かっていると先についていたのは紅葉君だった。
「俺も連れていけ」