幾年の愛を


目を開けるとセシリアは剣が二本刺さっている
状態で倒れていた。

一つは紅葉君の輪刀…もう一つはクロの物だった。


「采羽!」


「クロ…」



私は力がぬけ、その場に倒れてしまった


「大丈夫…すぐ…元に戻るから」


「采羽」


クロは私の傍にノッテを置いていき
セシリアと戦っていた。
けりが付いたと思っていたときに、
そこは冷気に包まれた。



私の傍まで駆け寄ってこようとしたクロとの間に
氷で作られた壁が現れた。


「クロ!」


「采羽!」



間に合うことができず私はノッテの一緒に
閉じこめられた。


すると、扉の方から誰かが歩いてきた
目を向けていると
マントを被った男は自らフードを脱ぎ、
私に顔を見せてきた。


「ど、して…貴方がここにいるんですか…
枯捺さん!」


そうだ、私の目の前にいるのは
兄だと信頼してきた枯捺さんだった。


訳が分からない…
どうしてこんな所でこの人に会っているのか。
どうやってここにきたのか…


「やっと見つけたよ…采羽」


「何のつもりですか」



聞きたいことは沢山あるのに…
言葉が全くでてこない。


「お前をつれて帰る」




 
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