幾年の愛を
「静まれグリモア…ミカエル…」
その声も姿も采羽なのに…俺は起きていた采羽を恐ろしく
感じてしまった。
「やってくれたな伏見枯捺…ただですむと思うなよ」
「お前は…」
真ん中に立っている采羽は場違いのように笑っていた。
「あまり『妹』の体を使いたくはない…
だから、言いたいことだけ伝えておく。
俺の妹を傷つけた代償は高いからな」
妹?それって…
「要か?お前…」
「さぁな?…クロウ=レイヴェン…妹を頼んだぞ」
そう言ってからまた意識を手放した采羽は
クロウに倒れてきた。
「今はやめておこう…だが、次はない」
他の悪魔とともに消えていった伏見枯捺。
それと同時に部屋の中からも冷気が
消えていった。
「帰るぞ…早く采羽を」
「わかっている」
side紅葉 end