幾年の愛を
本邸
side采羽
私が皆を避け続けてから早くも一週間がたった。
あれから何もない…時々クロや澪さんが訪ねては
来るけど会うことはない…
怖いから…ただ私は逃げている…
また自分が闇を見るのを怖がっている。
「采羽様」
「あ…ごめん、何?」
「疲れていらっしゃるんですか?」
私に話しかけてきたのは兄の式だという人だった…
まぁ普通ではない…
それほど…イケメンなんだよな…
今日は千月が少し出かけてるから陽千と一緒だけど、
会話が続かないんだよな…
「采羽様は、クロウ=レイヴェンをどうお思いですか?」
「え!?」
直球の質問に固まってしまった私は悩んでいると
『また』あの人たちがきた。
「采羽?澪だけど…そろそろ出てきて?
皆待ってるんだよ!」
声を聞いただけなのに…私の体は他人を拒絶している…
それだけ私は、あの人たちが怖いんだ…
枯捺さんと同じかもしれないと
考えたら…関わることを躊躇ってしまう…
「帰らせますか?」
「お願い…」