幾年の愛を
side采羽
本邸に出発する日…
私は久しぶりに外にでる。
千月と陽千は指輪の姿になり私の指にはめている。
怖くないって言ったら嘘になるけど、ここで
行かなかったら駄目な気もするから…
下に行くと皆はもう集まっていた。
「采羽っ元気そうだね」
「…はい」
元気そう…か…そんなわけない
毎晩のように魘されて…でも夢のことは
何も思い出せなくて…
寝ることすら怖くなり始めているのにね…
私は4人とは話さずに外に出た。
外にはもう乗る予定になっている車がまっていた。
運転手に荷物を預け、一息ついていると…
「采羽」
ビクッ
「…久しぶりだねクロ(ニコ」
平然を装って言ってみた。
こうゆうときだと昔の事があってよかったって
思うな…
「大丈夫か?」
「うん…」
どうしてかな…あの日以来クロのことも
わからなくなった…