幾年の愛を
こんなことして…また自分から傷つくなんて…
恥ずかしいよね?
また…くりかえしちゃったんだ…
「私の戦いなら受け止めましょう。
でも……二度と私には近づくな…
そう、あの人たちにも言っておいてくたさいね?
もちろん…クロウ=レイヴェンもだ」
通り過ぎる間際私はそう伝えて、家の方に戻ってきた。
中庭のようなところを歩いていると、
縁側の方にいた一握り止められた。
そこにはほかの皆もいて、私のことを心配そうに
見ていた。
いや、私の中にあるトワの魂に…かな…
「采羽なのよね?」
「…だったらなんです?」
皆は私がとっている態度に驚いていた。
さっきまでの私とは明らかに違う態度…
「私は伏見礼菜、貴方の叔母にあたるわ
ずっと探していたの」
嘘だ…
探していたのは自分達が愛していた母さんの子供…
私を探していたなんて…あらるわけない…
「それだけですか?なら私はもういきます」
「ま、まって!恨んでいるなの?」
「恨む?まさか…ただ私は……
興味がないんですよ…親戚だからなんですか?
泣いて喜べとでも言いたいんですか?
馬鹿馬鹿しいですね…
そんな思いなんて…とうの昔に捨てましたよ」
助け出されなかったあの日々で、
私達は見捨てられたんだと実感した。