幾年の愛を



母方の親戚はいると聞いていたけど、
助けに来ることすら見に来てくれることすら
してはくれなかった。



「私が必要になったら顔色を変えて近寄ってくる…
すこし昔の私なら泣いて喜んで思い通りに
なったでしょうけどね?」





人は誰かを利用していらなくなったらゴミのように
捨てられてしまう。
私はもうそんな生活は嫌なんだ…
利用されっぱなしなんて…





「采羽…」



「名前…呼ばないでくれますか?
軽々しく呼んでほしくないですから」




固まっている奴らを残して、私は
自分の部屋に向かっていく。



嫌でもわかってしまう。
私の部屋がどこにあるのか…
場所なんてすぐにわかってしまう。




「采羽!」




「近寄らないたでくかれますか?」





近寄ってきたグアルディアーノ達を私は軽蔑の目で見た。


この人たちだってわかってやってたんだ
私が信じたばかりに…
また自分のことを傷つけてしまった。




「ど、どうしたんだよ!俺達なんかしたのか?」




なにか?この人たちはわかってないのか…
そうだよね…
所詮は嘘をつくことしかできない…




「私は…もう疲れました」


「采羽?」




心配そうにしている澪さん…
焦りを見せている紅葉君…
何かを感じ取っている黎さんと星空君…



「私はもう…仲間ごっこは疲れたんですよ」




「仲間ごっこって…」




「そうですよね?昔の采羽しか見ていないくせに」






こいつらは私にまた絶望をうみつけた…
だったらもう私なんていいでしょ?
ここにはもう…あの『トワ』はいないんだからさ…
いつまで私を比べるの?










 
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