幾年の愛を







「あんたたちが思ってるほど私はおちてはない」





今度は後ろを振り返らず私は中に向かっていった。



こんな所で立ち止まっていたらなにも始まらないし
終わりもしない…
早く終わらせて自由になろう…
一人でのんびりと暮らせるところにいこう。





「采羽様?」



「千月、陽千…」




「またお一人で行こうとしていますね?」





あぁそうか…2人がいたじゃない…
人なんて信じられないけど、
この二人は違うでしょ?





「大丈夫だよ…2人のことは信じているから」






人ではないこの2人…
新しいスタートに一緒に立ってくれる。
同じようなものなのに兄さんが
信じていたからって理由で少し安心している、



「千月、明日はきっと新しい仲間が増えるよ」



「それはまさか…」



「うん」




確信なんてないけど、私の中でそう言ってる。
私の…もう1人の味方…









      side采羽 end








 
< 91 / 135 >

この作品をシェア

pagetop