幾年の愛を
side澪
「くそっ!なんでなんだよ!」
やっぱり…駄目だったんだ…
私達は采羽にやってはいけないことをしてしまった。
どれだけ…傷つけてしまったのか…
「采羽…」
「落ち込んでいる暇はありませんよ」
采羽が来た方から今度は冬吏さんが歩いてきた。
こっちから来たということは冬吏さんが
采羽と話をしたんだ。
「冬吏さん…采羽は…」
「『自分の戦いは受け止める…でも、
もう二度と近づくな』とのことだ」
その時、そこにいた皆は絶望した。
なによりも私達の光である采羽に拒絶されては
私達がいる意味なんてない…
「どうしたら…許してくれるの?」
許してもらえる訳ない
私達は自分のたちの勝手だけで采羽を騙していた
ことになる。
せっかく信じてくれていたのに…
「どういうことだ」
後ろから来たのはクロウだった。
何も知らないクロウはただ呆然としていた。
「冬吏っ采羽に何を話した!」
「全てだ…」