漆黒に佇む一輪の華
亮「俺たちは裏切られてたってことか…」



力の抜けた声で俺がそう言うと



穂「悠里ちゃんが電話で瀧沢組の関係者と話している所を見たの!」



こいつはとうとう泣き出した


悠里が裏切ったのか?


こいつが嘘を言っているのか?


俺の頭の中はこの2択でいっぱいだった



亮「本当のこと…言えよ…」



もう言葉には力が入らなかった


けど…



亮「本当のこと言えってんだ‼︎」



怒りは頂点に達していた


それは


悠里が俺らを裏切った事に対してなのか


ただただぶりっ子女にムカついているだけなのか…


それとも…


もう何もかも信じられなくなっている俺自身なのか…


分からない…



穂「本当のこと…だよ」



俺の目を見てこいつは言った


それに俺の思いは揺れてしまった



『悠里が俺たちを裏切ったんだ』



俺の中で答えが決まってしまった


最悪の形で


今頃 悠里はみんなと一緒に笑ってるんだろうな…
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