君と恋する放課後
黒縁メガネをかけて、猫っ毛でくるくるした
色素薄めの髪の毛には透明感がある。
レンズ越しに見える決して大きくはないけれどクリッとした子犬のようなキラキラした瞳。
そう、私が文芸部に入った理由は、
下心以外の何者でもないのだ。
先輩と仲良くなりたい!
ただそれだけ。
毎週水曜日。それが文芸部の日。
先輩といつものように下校時刻まで
2人でただひたすら読書する。
話しかけようと何度もしたけれど
読書に夢中になっている先輩の邪魔になりほうで、全部話せない。挨拶くらい。
だけどそれでも幸せ。
先輩と同じ空間にいられるだけで、私は満足してた。