桜の舞う世界

「一度お会いした事があるのですか？」






「えぇ。桜湖がまだ赤ん坊の時会ったわ」





「すいません、記憶になくて……」







「良いのよ？桜湖が覚えている年じゃないんだもの」







「それはさておき、桜湖？」





「はい」






「私の娘、笑美湖は桜湖の婚約の事をなんて言っていたのか分かるかしら？」





「いえ、お母様はそのような事は口にしません」






「そうなの……桜湖」






「なんでしょう」




「桜湖の婚約者とは婚約を破棄して貰えるかしら？」






「なっ……ぜです？お母様はきっと反対します」




「いいえ。貴方のお母様は私の言う事は絶対守るの、だから可能性はないとは言えないわよ？」





「はい……」




私的には破棄したくない……