桜の舞う世界
「どうして、お婆様は婚約破棄をと思ったのですか?」
「桜湖……いい?私の時も笑美湖の時も結婚は政略結婚だったの。少なくとも私の時は本当の愛は無かった、だから愛しい孫には幸せになって貰いたいのよ」
「お婆様…」
「私は笑美湖に政略結婚をさせた事、後悔しているわでも貴方の結婚はまだ間に合う。婚約破棄したいのなら私に言いなさい?」
お婆様は優しい、私を大切に思ってくれている
それ以上にお婆様が大切に思っているのは
お母様だわ。
「お婆様、私は婚約破棄をいたしません。」
「いいの?」
「はい。お婆様が大切に思ってくれているは充分伝わりました…でも私は碧兎様と共に過ごすのは苦ではないようになったのです」
「桜湖はその碧兎様という婚約相手が好きなのね?」