桜の舞う世界









私は今度こそ彼の瞳を見ながら言う









「静月希…あり、がとう」











「……………………………」



「……………………………」






しばし二人の間に沈黙が続く















ぎこちなく先に言葉をかけたのは









「その名は俺の名なの……か?」





彼だった






驚愕しているのが分かる彼の言葉








「そうよ……私が考えたの、貴方の名は」






私は一呼吸しながら言う





「静かな夜の月のように生きる希望を持つ

人になってほしいと想いを込めて

名は静月希…」

















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