桜の舞う世界
「生き残っている者がいた事を知ると嬉しい」
が、
「貴方を妖退治に参戦されるわけにはいかない」
「な、なんでですか!」
叫びそうになった声を押し殺し
男に言った
「貴方には、その覚悟がないから無理だ」
「…………覚悟…」
男は俯いた
「私は村で唯一の占い師なのに走りながら後ろで妖の餌食にされ食い殺される村人見てました」
「私は皆に捨てられることを恐れ村に救世主が現れることを伝えるのを怠ってしまった」
男は目を赤くしながらも強い口調で言った
「私は皆を安全な未来へ導く事が仕事とするのに、私はそれができなかった……だから!」