桜の舞う世界
「調子にのるな、こやつは
殺して良い女ではない」
声がした
アイツの声が、
九尾の妖狐が来てくれた
目を開けてみる
「シズ、…………キ……」
ちゃんとシズキの名で呼びたかった
だから
「シズ……キ、シズ……キ……シズキ」
何度も貴方の名を呼んでしまう
『シズキ……大好きだよ……』
再び薄れていく意識の中
溢れてくる何かに身を任せ
心の中で貴方への想いを呟いて
私はそのまま意識を失った