桜の舞う世界







「で、どうするのだ?」









「神通力は使わなくていい、自分から話す」






「その方がいいだろう」






絶対確信犯だ……






「シズキの想い、凄く伝わった」






「話が早いな」







「早く終わらしたいから」





「まぁいい。俺の想いとはなんだ」




「時々貴方の夢を見るの、恐らく貴方の幼少期の記憶だと思う。何度も見るその夢からシズキの想いが凄く伝わったんだ」





「シズキは人間が元から嫌いなわけじゃない。人間がシズキを人間嫌いにした事も分かった
元の村に戻そうとしてこんな事をしているのも……」


だから……






「だから、私は貴方を悪妖として倒すのが嫌なの…シズキの優しさを知ってしまったから」






貴方の事が好きだから







好きに、なってしまったから







二人の間に沈黙が数秒続いた










「………………………巫女姫」






シズキの口が動く






「他にも言いたいことはあるのではないか?」





「な、なんで……」







「お前が意識をなくす時、言っておったではないか"シズキが好き"だと」



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